試作市場2012 & 微細・精密加工技術展2012

試作市場2012 & 微細・精密加工技術展2012

4月27日、東京都大田区の大田区産業プラザPioで開催された日刊工業新聞主催、第3回試作市場2012 & 微細・精密加工技術展2012に行ってきました。この展示会は4月26日と27日の2日間の開催です。当日はあいにくの雨、場所は蒲田なので晴れていればJRの蒲田駅から歩こうかとも思っていたのですが、京急の蒲田駅から行きました。

大田区産業プラザPio外観1
大田区産業プラザPio。京急蒲田駅から徒歩で5分ほど。右側が入り口。

大田区産業プラザ外観2
大田区産業プラザPio。展示会場。

大田 産業プラザ内部1
内部の様子(入口付近)。

大田 産業プラザ内部2
内部の様子(奥側)。


会場内は基本的に写真撮影が不可の為、個々のブースの内容は紹介出来ません。

微細精密加工は分野が違うのでよくわからず、見てもただただ感心するばかり。見ても、とは言ってますが、実際には、焦点を合わせるのが少しきつくなっている私の目では、ルーペを使ってもよく見えないのが現状。というくらい細かいんです。なにせ小さいものは0.01またはそれ以下の世界。私なんかの自動車用板金プレス金型の業界では通常ではせいぜいR2のカッターでの加工が最小ですし、インジェクション型でもR0.5くらいですから、桁が違います。その他にも、精密バネのメーカーやら鏡面加工のメーカーのブースもありました。当然その様な精密加工を実現させる為に使用する工具や加工後の測定、バリ取りなども特殊で、それ専門もメーカーのブースもありました。ただ、かかえている悩みは似ているようで、あるメーカーの担当者に話を聞くと、なかなか直接設計者と話す事が出来ないので困っているといってました。やはり細かい加工をするのは大変なのですが、苦労して図面通りに加工しても、製品の機能としてはそこまでは不要な場合があるそうです。設計者が加工の大変さをわからずに図面化しているだけで、設計者と調整すると楽な形状に変更可能な場合があるそうです。そういうのは、私の過去の経験からもたくさんありますから、どこの世界も同じだと思いました。そういった連携不足による無駄をなくす為に、自動車の業界でもサイマル化を進めています。

試作市場は見た順番から
1.(有)二幸技研 ナイロン注型
シリコン型でのナイロン素材の真空注型です。エンジンカバーの展示品がありましたが、マスターに残っていた加工段差も転写されていましたから、転写精度もいいようです。その他にもダイキャスト部品をガラスやカーボンフィラーを添加したナイロン注型に置き換えた製品の展示もありました(最初、アルミ鋳造品も並べて展示されていましたので、どうやってシリコン型で金属が出来るの?なんて馬鹿なことを考えてしまいました)。私もプレス部品の試作の時に、型の表面素材として鉄粉入りのエポキシやウレタン、ガラスフィラー入りのコンクリートなど使ったことありますが、ナイロン素材は初めてです。ですが、私にはナイロン材を注型することの技術的な難しさはわかりません。でも、試作品でもただ形にするだけでなく、製品の物性と同じ素材を使用することが求められてきているようですし、そのまま少量生産にもつなげられるようです。
フィラーは強度アップを目的にしているんですが、話を聞くと繊維というより、パウダー状にして攪拌しているそうです。やはり繊維のほうが強度的にはいいのですが、細かくしないと流動性や転写性、それに均一性が損なわれてしまう(沈殿による)のだそうです。

2.(有)小松鋳型製作所 ダイレクト鋳造鋳型
ここの特徴は、中子を製作せず直接製品データから鋳型を製作してしまうというもの。通常CADデータを処理してRP機で製品を製作しますが、逆に製品部を空洞にして鋳型の方を製作するという考えです。当然樹脂だけではなく、砂(セラミック?)成分が混じっているのですが、特許があるそうです。通常の砂型も砂と樹脂を混ぜて固めている訳ですから、面白い発想です。したがって、複雑に入り組んで中子の造り込みが大変な製品ほど効果があると言ってました。その他にも木型、金型、中子が要らないので、抜き勾配も不要、精度やバリの問題も少なくなる等の利点もある様です。木型の組み方、割り方とかは長年の経験と技術が必要と聞いてましたが、こうなると職人不要の世界ですね。

3.(株)藤井光学 3Dスキャナー→光造形
もちろんスキャンデータそのままでは無く、CADで形状を修正したり、変更したりすることも可能です。最近はCGによるモデルも多く、デザイン的(寸法精度より見栄えを重視する)な製品の場合は、サーフェースCADよりもポリゴンCADの方がいいようですし、サーフェース-ポリゴン間データのやり取りも割と楽に出来るようです。
加工もRPだけでなく、樹脂注型や機械加工も出来ますので製作部品の幅も広そうです。
ポリゴン系のCADは私も興味あります。

4.(株)イグアス 3Dプリンター
3D Systems Corporationの3Dプリンターを販売しています。精度が0.02でワックスと樹脂を別々にプリント出来る3Dプリンターを展示、デモしていました。ワックスは最初にプリントして、その後樹脂をプリントする為、成形後冷やすと簡単に離型出来ると言ってました。その他にもサポート部材をワックスに出来るので滑らかな形状そのものの製作が可能であるとか、可動部をワックスで挟んで同時成形出来る為、成形後ワックスを取り除くとそのまま使用可能な製品が出来ると、一見大ベテラン風の4月入社だという女性営業ウーマンが言ってました。サンプルとしてモンキースパナが展示されてました。高精度、高機能ですが、価格は約1000万円だそうです。ちかじか廉価版も出るようです。

5.(株)テクノソリューションズ 3Dプリンター
こちらも3Dプリンターを販売してますが、価格は68万円。驚く低価格です。ABS樹脂製のワイヤーを熱で溶かしながら吹き付けるタイプで、見た目は小型3軸マシニング(カタログでは重量が5kgとなってます)です。価格が安い分精度は0.2mmですが、製品によっては充分だと思います。ただ気になったのは、サポートです。サポートと言っても保守の事ではなく、成型品を保持する為の足です。熱を加えて成形するのですが、かなり熱く、サポートがないと完全に硬化する前に変形してしまうそうです。手やカッターで簡単に取れると言ってましたが、手間がかかりそうだし、その部分が少しざらざらしていました。後、金属製のテーブルには密着しない為、接着剤を塗っていた事です。デモの製品を離型するのに、結構手こずってました。でも価格とコンパクトさは魅力。

6.アルテック(株) 3Dプリンター
ここも3Dプリンターですが、気になったのはペットボトル用のブロー成型。ペットボトル自体を成形するのではなく、型を成形して製品としてはブロー成型で製作するという考え方。当然材質、見栄え、物性値は製品と同じになります。また、上の2社にはないゴム系の素材の成形も可能、それ以外にも何種類か違う種類の素材も使える様です。もちろん純正品出ないとダメと言ってました。価格は約200万円。説明してくれた人によると、機械は売れてもほとんど利益は無いそうです。普通のプリンターメーカーと同じで、消耗品を使ってもらって、それで利益を得るのだそうです。ソフトメーカーとか携帯なんかと同じですね。
もうひとつ面白かったのは、普通のプリンターと同じで、使わなくても定期的にノズルの掃除をするそうです。当たり前と言えばそれまでですが、なんとなく親近感が湧いてきます。

7.秋山木工所(東京都昭島市)(メール) 木質系工業製品
ラワン材に真空状態でエポキシ樹脂を含浸させて、強度と耐候性をアップさせ、湿度による変化を少なくさせたのだそうです。強度はアルミの1/5、質量は1/2.5だそうですが、強度の1/5が微妙ですね。素のラワン材の強度を聞き忘れました。サンプルとして、手の石膏型とその石膏型をマスターとして5軸で切削したエポキシ含浸ラワン材がありました。加工時間は7時間程かかったようです。見た目は木目がしっかり残っているので、磨き上げた木材という感じでした。

以上私が見聞きした会社を紹介しました。忙しい時間をさいて話を聞いてくれた各メーカーの担当者様、お世話になりました。ありがとうございます。

会場内の撮影は出来なかったので、外から会場の雰囲気を撮りました。今回の写真は全て、Panasonic DMC-TZ30で撮影しています。

日刊工業新聞社主催 試作市場案内板
太田区産業プラザPioでの案内板。

試作市場入り口
入口。帰りに撮ったので、人はあまり見えませんが、中には大勢います。

試作市場 内部風景1

試作市場 内部風景2

試作市場 内部風景3

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[ 2012/04/28 15:29 ] 展示会 | TB(0) | CM(0)

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